どこにもゆかれないあたたかさのなか手向ける窓の向こうのひとびとへ身じろぎもせぬまなこ
ささやかなひとみを憐れむなやすらかにおもてを伏せ
なにも手に入れない雨の粒の一つずつ流れる手前
よろめく私のかたまりよごれたたかさ
沈んだたかさの底の底私のそばへ潜みに来ればいい
一筋の眼差しをたどってうつむいてね